胆石治療

“胆石がありますよ“といわれてはじめて胆石や胆嚢とは何だろう、どんな役目があるのだろう、治療はどうするのだろうと不安になりますね。
胆石グループでは昔から”癪”といわれた仙痛(七転八倒する痛み)を伴う腹痛がある際に、超音波,CT,MRCP,内視鏡等の最新機器を駆使して痛みの原因診断をいたします。胆石による痛みと診断した場合はすぐに治療を必要とする症例か、一方胆石の成分によっては溶ける胆石もあり治療法の選択を科学的なデータにもとづきじっくりとお話し患者さんに最良の治療法をお勧めします。

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胆石は、肝臓、胆管、胆嚢にできる石や胆泥を総称して胆石といい、石の成分の違いから大きく分類し
1)脂肪を主成分としたコレステロ-ルの石と
2)骨の成分であるカルシウムを含んだビリルビンの石とに分けられます。その石の存在する場所によって種類がやや違ってきます。
肝臓、胆管の石---ビリルビンの石
胆嚢の石   ---コレステロ-ルの石
昔から”癪”といわれた仙痛を伴う腹痛が胆石の痛みだと言われ古い時代から胆石に苦しんできた人々がいたようです。 不思議なことに動物でも象、馬、きりん、鹿には胆嚢が生まれつき有りません。
このことが後で説明しますように人間にも胆嚢がなくても一向に差しつかえないのだとする外科治療の1つの根拠となってきました。
このことが後で説明しますように人間にも胆嚢がなくても一向に差しつかえないのだとする外科治療の1つの根拠となってきました。


胆嚢の働き

胆石について皆さんもあちこちで耳にされたことがあるでしょうが、実際、胆嚢がどんな働きをしている臓器かと質問されると少し考えこんでしまいますね。恐らく胆石という診断をされてから慌ててどこにあり、何をするのだろうかと始めて疑問をもたれることでしょう。まずこのお話しから始めましょう。

なぜこの問題が大事かとなると19世紀末にドイツにランゲンブ-フという外科の先生がぞうや馬には胆嚢がなく、それじゃ人間にも胆嚢なんて必要ではないのではと考えたのかどうかはわかりませんが、胆石の患者さんの胆嚢を摘出してしまうという胆石に対する外科手術が初めて行われました(胆嚢を取らずに胆石だけを取り除いた場合、胆石の再発率が非常に高い事が証明されています)。

そして100年たった今でもこの方法が基本で、最近までは開腹により胆嚢を切除してきましたが1989年に腹腔鏡を用いた方法が紹介されるや今では腹腔鏡を利用した腹腔鏡下胆嚢摘出術が主流となってきました。

胆汁とは


肝臓で胆汁が作られ、その胆汁は胆管を通り十二指腸に排出されます。便の黄色い色は胆汁の色です。その胆管の途中に80ml程の容量がある袋が胆嚢です。夜間に肝臓からの胆汁が胆嚢内に貯められその中で水分が吸収され非常に濃厚な胆嚢胆汁となります。
 

次に食事と共に胆嚢が収縮し濃厚な胆嚢胆汁を十二指腸に排出し食物の消化吸収を助けるという重要な働きがあります。ちょと難しくなりますが胆汁には界面活性作用(石鹸のような作用)があり脂肪の吸収に欠かせないものとなっています。 胆汁の成分は水を主体に胆汁酸、燐脂質、コレステロ-ル、ビリルビン等が含まれています。

ちょっと余談ですが昔は、うなぎの胆汁は下剤として服用され、熊の胆汁は奈良時代から熊のい(熊胆)として鎮痛剤に使用されて来たように動物の胆嚢胆汁を乾燥し製剤にしたのが、非常に人間の苦痛を和らげてくれた事は面白いことのように思えます。

胆嚢の働きの話を簡単にしましたが、胆嚢結石が胆石のほとんどを占め、胆管結石、肝内結石は非常に少ないことから主に胆嚢結石のはなしを中心に始めますが胆石と言ったら胆嚢結石のことですので、断っておきます。

胆石の原因 

胆石を持っている人は何人くらいいるでしょう?今や超音波診断装置(エコ-)の発達により症状の全くない胆石の人までどんどん増えてきました(無症状胆石)。

日本では、第2次世界大戦以前は、ビリルビンカルシウム石が非常に多かったのですが、戦後は食生活の西洋化に伴い、即ち脂肪製品、チョコレ-ト、チ-ズ等の多量摂取によりコレステロ-ル系の結石が増加し胆嚢結石の70%以上はこのコレステロ-ル結石であります。

しかし最近ではこの2種類の他に黒色石の増加が目立っています。コレステロ-ル結石の形成機序は胆汁成分中のコレステロ-ルが析出してコレステロ-ル結石となります。どんな人が胆石になりやすいかという事ですが、欧米では4Fといってfemale(女性)、forty(40歳代)、fat(肥った)、fecund(多産の)といわれるぐらい女性に多い病気です。

人種でも違います。アメリカインディアンのある部族では20歳になったら全員胆石を保有する部族がある一方でアフリカのマサイ族には全く胆石の保有者はおりません。日本人も10人に一人が胆石を保有しているといわれていますが、スウエ-デンなどの北欧諸国では5人に1人から2人に1人と更に増加の傾向にありますがこれも食生活に因るところが多いと思います。

しかし内科の先生の中には、コレステロ-ルの石ができるということは、動脈硬化、心臓病、高血圧症とも深い関係があり胆嚢結石は全身疾患の1つであって、ただ単に胆石だけ治療しても根本的な解決にはならないのだという意見もあり尊重すべき考えだと思います。

胆石の症状 

胆嚢は右の上腹部にあり、炎症や石の嵌頓があると右上腹部の激痛が来ます(胆石仙痛発作)。夜中近くになって生ずる事が多く、痛みのために七転八倒、吐き気、あぶらあせがでて、家族はどうしたものかと慌てずにはいられません。

もう1つ注意しておくことは、胃が痛いと言っていた人が胆石だったいうこともよくある話です。胆石の痛みはこのように胃のあたりだけでなく、右肩、右腕、背中に通すような痛みもあります(放散痛)。腰痛で病院がよいしていた人が胆石だったということも良くあります。

胆嚢の石が胆管に落ちた場合は、肝臓からの胆汁がせき止められて黄疸を起こすこともあり、痛みと黄疸と発熱が揃うとシャルコ-の3徴といい胆管結石の特長で少し慌てなければなりません。胆石が胆管の末端につまった場合は胆石性膵臓炎を起こし消化酵素の一つであるアミラ-ゼが血中に増加します。

黄疸や胆石性膵臓炎などの場合、適切な治療を行ないこの状態の解除を待って今後の方針を決める必要があります。

胆石を調べる方法

1.超音波診断法
2.胆嚢造影法
間接胆道造影法 経口法 DIC(点滴静注法)
直接胆道造影法 PTC(経皮経肝胆管造影)
ERCP(逆行性内視鏡的膵胆管造影)
3.腹部単純撮影
4.X線-CT
5, MRCP
6.血液検査
これらの検査をうける際は、朝食を抜きですることが原則です。


過去10年間に胆石の診断体系はめざましい発展をとげてきましたが、その原動力になったのがこの装置です。漁船が積んでいる魚群探知機と同じ原理で体の調べたい部位の皮膚面にジェリ-を塗布し探触子という超音波をだす機械を当てて魚の群れを探すように、体の病巣を探すわけです。

産婦人科では胎児診断に、外科では胆石を始め胆嚢や肝臓、膵臓の腫瘍の発見に重要な働きをします。胆石に関しては、超音波による診断率は90%以上で、このことが症状のない胆石(無症状胆石)の発見につながり、複雑な問題となってきました。


ヨ-ド剤を使用して行なう検査法ですからアレルギ-体質の人は前もって医師にお話しください。この経口法や点滴静注法で胆石の診断のできる確立は65%程度です。というのは黄疸がある場合や結石が胆嚢管や胆管につまった(嵌頓)場合はこの検査法は全く役にたちません。

胆石溶解剤を使用する際には、この検査法を行ない胆嚢を収縮させる薬剤を注射するか卵黄を飲むことによって胆嚢が収縮するかどうかを調べる必要があります。収縮する胆嚢を機能胆嚢、しない胆嚢を無機能胆嚢といいますが無機能胆嚢に胆石溶解剤の投与は無意味だとされています。

経口法や点滴静注法で胆石が不明とか黄疸のある場合等に直接胆道造影法であるPTC(経皮経肝胆管造影)やERCP(逆行性内視鏡的膵胆管造影)を行ないます。これらは診断に限らず治療まで応用することができPTCは直接胆石溶解療法をERCPは内視鏡的胆管結石除去術(図)へと応用されます。


腹部のレントゲンをとるだけで胆石が分かることがあります。レントゲンで骨が分かるように胆石も石灰分が多い場合は、腹部単純撮影で分かることがありこのような胆石はカルシウム結石であり溶解剤やshock waveの対象とはなりえません。


体をレントゲンで輪切りにしコンピュ-タ-で再構成して描写する検査法で肝臓、膵臓など管腔がない臓器の病気の発見に努めます(胃や腸は管空臓器)。この検査法で胆石の性状を知ることが出来ます。カルシウム結石だと骨と同じようにみえ、コレステロ-ルだと脂肪と同じように見えるところからこの検査法で結石が溶けるかどうかの判断をします。
また、左図のように最近の3D-CTでは胆嚢や胆管が三次元の立体像としてはっきり捉えられることから手術前の解剖の把握に重要な働きをしています。


98/06/01から新しい診断法がやって来ました。


GOT、GPTの話を少しします。よく肝機能検査と耳にすることがあると思いますがその中でGOT、GPTがどうだ、こうだとお話しが出ますがこれは肝細胞の障害を示す数字で肝細胞が死んでいくときに比例して上昇するものだと覚えて下さい。


正常値は30以下です。もし100前後の場合は肝臓が悪く肝臓の検査及び治療を受けなければなりません。肝機能検査ではGOT、GPTに注意するようにしてください。


 
1878  胆嚢切開 Kocher
1882  胆嚢摘出術 Langenbuch(ドイツ)
1924  十二指腸ゾンデ法 松尾巌
 胆嚢摘出術 三宅速
1972  経口胆汁酸療法 Danzinger(アメリカ)
1985  直接胆石溶解療法 Thisle(アメリカ)
 五十君、山元 (当院)
1985  ショック・ウェーブ Sauerbruch(ドイツ)
1987  腹腔鏡下胆嚢摘出術 Mouret(フランス)

外科的方法-1. 開腹下胆嚢摘出術 2. 腹腔鏡下胆嚢摘出術
内科的方法-1. 経口胆石溶解療法 2. 直接胆石溶解療法 3.内視鏡的砕石術 4.ショック-ウエ-ブ



前にも話したように胆嚢を胆石と共に摘出する方法で100年来実施されてきた方法です。胆石の手術をしたという人は胆嚢を摘出されているのが一般的です。胆嚢はなくてもいいのかとなると、難しい問題ですが一般には胆嚢のない動物もいるから必要が無いのだと説明されることが多いようです。

受ける側からいうと手術せずになおりたい気持ちで一杯ですが、絶対に手術を受けなければならない状態があります(絶対適応)。それは

1.胆汁性腹膜炎
2.萎縮胆嚢の場合です。胆汁性腹膜炎をほおっておくと敗血症になりますし萎縮胆嚢の場合は癌との区別が非常につけにくいことから絶対に手術をしなければなりません。

腹腔鏡下胆嚢摘出術については1987年フランスの開業医、Mouretがテレビにモニターされた腹腔鏡像を見ながら胆嚢摘出術を行なったのをきっかけに、フランス、アメリカを中心に爆発的に腹腔鏡下胆嚢摘出術が普及し今までの開腹下胆嚢摘出術に完全に取って変わりました。

1993年5月に中国・西安で開催された第2回日中肝胆膵シンポジュウムに参加した折、ロシアに近いトルファンや西安でも年間1000例の腹腔鏡下胆嚢摘出術が実施されているのを知り驚いた次第で世界中で広く実施されています。

本邦でも1990年来、盛んに行なわれ今や胆嚢結石症治療の定型的な方法として確立されており、当院でも1991年10月から腹腔鏡下胆嚢摘出術を行ってきました。

硬膜外麻酔の利点

硬膜外麻酔の利点としては肺や心臓の合併症を持っている患者さんにも安全に手術が行えることでしょう。お腹の中の圧(気腹圧)も一般的に行われている10-15mmHgという圧ではなく4~5mmHgという低圧で行えそれだけに安全だという特徴を持っています。
目的:
いままでの胆石症の手術と違いお腹を切らずに、腹腔鏡を使って胆石症、胆嚢ポリープなどの胆嚢を摘出するものです。
方法:
手術室で硬膜外麻酔(ほとんどの他の施設は全身麻酔)で行います。腹腔鏡やその他の操作のため、5mmないし10mmの小さな穴を4ケ所お腹にあけます。お腹のなかにガス(CO2:3~5リットル)入れ、お臍の下にあけた穴を通して腹腔鏡を入れ、胆嚢の様子をテレビにモニターします。
これを見ながら手術を行います。胆嚢は特殊な細いハサミやクリップを用い、総胆管から切り離します。肝臓との剥離には電気メスを使って安全に行います。また、胆管のX線写真を撮って安全を確かめます。取り除かれた胆嚢は小さな穴から取り出します。経過が順調ならば、その日の夕方には食事がとれ、一週間以内に退院できます。
注意点:
すべての胆嚢結石症に行なえるわけではありません。炎症の強い胆嚢や、周りの組織との癒着がひどい場合には、危険ですから普通の手術に切り替えます。この手術は新しく開発された胆嚢摘出術ですが、欧米の報告では今までのほとんどの症例で適応できると言われています。この手技の特徴は開腹しないため、入院期間が短縮できること、患者さんにとって身体的負担の少ないことが最大の利点ですが、傷が小さいため美容上からも、また術後の腸の癒着防止にも大変良いようです。
当院では本法の特徴として硬膜外麻酔(ほとんどの施設が全身麻酔)で行っているために術後の疼痛比較で痛み止めの使用頻度で全身麻酔の場合32例中11例(34%)に、硬膜外麻酔の場合34例中1例(3%)に痛み止め使用が見られ明かに硬膜外麻酔により患者さんの苦痛がないことが証明されております。この研究後は全て腹腔鏡による手術は硬膜外麻酔により行ってきました。
Laparoscopic Cholecystectomy Under Routine Continuous Epidural Anesthesia
  98.12.09 アメリカ腹腔鏡外科学会で発表
各手術術式の違いで痛み止めの使用頻度を比較してみたら、不思議なことに盲腸の手術が最も術後に痛みがあることが分りました。
 


1.経口胆石溶解療法
1972年頃から米国で経口による溶解剤として使用され始めた方法で、その溶解剤の名前をケノデオキシコ-ル酸と言います。これは日本でも使われていますが、この薬剤の立体異性体としてウルソデオキシコ-ル酸という昔から熊のい(熊胆)として使用されてきた薬剤が日本では盛んに使われています。これらの薬剤は次のような胆石の人に使います。
1.胆石の大きさが15mm以内
2.浮遊結石
3.X線上石灰化がないこと
4.機能胆嚢であること
5.コレステロ-ルであること
溶解剤を使う前にこれらの条件に入らなければなりません。この条件に入らないのに溶解剤を使用している患者さんがいますがこれはお金をドブに捨てているようなもので中止すべきでしょう。またせっかく溶ける可能性がありながらも薬の飲み方をまちがっている方がいます。

昼間は私達の胆嚢の中は透明の液が入っているだけと推定されます。

胆嚢の動きを考えた場合に日中は胆嚢が収縮しているためにせっかく服用したお薬は肝臓から吸収されても胆嚢の中に入っていかず、胆石と混じることなく十二指腸へ小腸へ大腸へと流されてしまいます。
ところが夜間になると胆嚢はスポイドの様に拡張を始め肝臓から吸収された胆石を溶かすお薬が胆嚢の中に入っていき胆石と充分混ざり合って溶解が始まります。このことから胆石溶解剤は夜に重点的に服用することを勧めます(BedTime Administration) 。


胆嚢内に小さな結石多数でしたが2年後に
完全に石は溶けてしまいました     


溶けるまでの期間はそう短くないのでちょっと忍耐が必要で、2年以上溶解療法を続けて結果がついてこない場合は中止したほうがよろしいのではと思います。溶ける石かどうかは超音波とCTで判断しますがカルシウム成分の多い結石はまず、この経口胆石溶解療法は不適格でしょう。
適応となる結石はCTで確実に胆嚢と胆石の区別ができない(コレステロール結石を意味する)結石で結石の数は問題にならないような気がしています。
結石溶解後に問題になるのは、胆石の再発の問題です。予防としては朝腹いっぱい食事をすることで、食事をすると胆嚢は収縮して夜に溜まった濃厚な胆汁は胆管から十二指腸へと排泄され胆石の形成を促す因子を外へおっ払うことになります。

脂肪から構成さる)という溶解剤が使用され、最近までMTBEというエ-テルの一種が盛んに直接胆石溶解剤として胆嚢結石の患者に使われています。MTBEと同時期に元福岡大学の五十君によりGS-100というリモネン製剤の直接溶解剤が開発され当院でその治療法が確立されてきました。

MTBEはあくまでもエ-テルの一種で強い副作用があるのに反しGS-100はみかんの成分という自然のものであることから副作用が少なく今後期待されている治療法と言えます。これらの薬剤の使用できる結石の条件は、

1.コレステロ-ル結石 純粋な結石でなくともよい
2.CT値が200以下の結石
3.必ずしも機能胆嚢でなくともよいと経口胆石溶解療法より沢山の結石がこの条件に入るようになります。

しかし直接溶解療法は腹腔鏡下胆嚢摘出術の普及により適応が少なくなってきました。


盛んにマスコミに登場するために外来の患者さんの中には何でもかんでも石を壊すというふうに理解されている方がいますのでその概要をお話しします。この機械は1969年西ドイツで研究が始まり1980年から腎結石の破砕装置として臨床応用が開始され、続いて1985年から胆嚢胆石破壊装置として胆嚢結石に1987年から日本でも数ケ所の施設で実施されるようになりました。

しかしこの治療法にも厳しい基準があります。一般的には
1.機能胆嚢であること
2.直径30mm以内の結石
3.結石が3個以内
4.胆管結石がないこと
5.結石の石灰化がないこと

この方法はあくまでも結石を溶かすのでなく小さく砕くのだということを間違えないでください。そのために小さな石が胆嚢管や胆管に詰まり胆嚢炎や膵炎の合併症を起こす恐れがあります。

胆石の内科的治療を研究する場合最も大事なことは石を溶かしたり、破壊したりすることだけでなくその後に石が再発するのをどう予防するかが重要な問題です。


当院での治療方針について話します。胆石の患者さんが外来を訪れ、まず行なうことは超音波検査法です。その際胆嚢炎のひどい場合は、超音波を使って経皮的胆嚢ドレナ-ジを行ない炎症がとれるのを待ちます。(以前は開腹して胆嚢外瘻)。炎症が無い患者さんは、CTを行ない石灰化があった場合は60歳代までに手術、これも今まで話したように開腹による手術に変わり腹腔鏡下胆嚢摘出術が主流となり患者さんに受け入れやすい方法となりました。

また石灰化が無くコレステロ-ル結石が考えられる場合は治療せずに経過を追っていくか経口胆石溶解療法を勧めてきました。外科医はすぐに胆石があると胆嚢癌になりやすいという話から手術を勧めますが胆石を持った人が胆嚢癌になる率は非常に少ないと言われています。逆に胆嚢癌の人は80-90%は胆石を持っているのは事実です。そこで無症状胆石を持っている人は定期的に超音波検査をする必要があります。

私の学会での発表をもとに私見を述べてきましたが、胆石の成因がいまだ不明である以上その解明に臨床家として更に情熱を燃す一方、外科医ながらも非手術的に胆石症の治療がどこまで可能であるかその一見矛盾した命題にも挑戦したいものだと考えています。

第16回国際消化器外科学会(マドリード)
Low Volume 3D-CT Cholangiography as a New Technique for biliary Disease
胆嚢管の異常が見事にでています。左図がSSD像で右がMIP像です。
A.では胆嚢管が右の副肝管からでていますし、
B.では右の肝管からでています。
これをワークステーション上で立体として描出されます。
Cでは副肝管と胆嚢管との位置が非常に近い関係にあり手術の時は要注意です。
このように、手術前に解剖が簡単にイメージングできることが手術の安全性を約束できます。

胆管内の結石も輪切りにした像で2mmほどの結石像が描出されています。MIP像やERCP像では描出されていません。 3DCT胆道造影の利点、欠点について話します。

御質問、御意見がありましたらお気軽にお問合せください。