これまでMRI診断は頭の疾患を検索する事が主で、お腹の診断にはとても使えないと考えていました。ところが今や日本中の放射線科の先生がこの話題でもちっきりとなっています。それはMRIの普通の撮影法に5分ほど時間をかけた拡散強調画像(DWIBS)によりPETと同様な診断ができる事が最近分かってきたのです。いやPET以上かもしれません。
 正常細胞では水分子の動き(拡散;→)が活発なのに対し細胞の大きい癌などではかなり抑制された動きになります。それを画像としてとらえたのが拡散強調画像です。
 それでは実際の画像を見てみましょう。この画像はお腹を輪切りにした像です。拡散強調画像と普通のMRIとを合成した写真ですが、 癌の部分(胃ガン)がオレンジに光っています。同様に肝臓癌、膵臓癌、胆管癌、前立腺癌などほとんどのお腹の癌とそのリンパ節の転移がこのように光って描出されますので、これから病変の拾い上げ診断としてPET同様かそれ以上の診断能を発揮する事が期待されています。

Fusion Soft
OsiriX 使用して カラーに
普通のMRI画像 拡散強調画像 Fusion(合成)画像












 当院では2005年9月14日から始めていますが、これから症例を重ねる事でかなりな貢献ができるものと信じています。

代表例

肺癌
CT

拡散強調画像で肺癌、骨転移(左肩甲骨も)、右腋窩リンパ節転移と一目瞭然です。
胃癌 脾臓も輝いていますがこれは正常です。
胃癌術後リンパ節転移
肝臓癌
再発

2ヶ月前のCT

TAE後短期間のうちに再発が見られています。
大腸癌の肝臓転移 ○で囲まれた部位が大腸ガンで肝臓へ転移が見られます。
大腸癌の肝臓転移 肝臓にパラパラと転移があり○で囲まれた部位に大腸の癌が認められた。
胃癌の
肝転移
拡散強調画像で肝転移が多数。CTとfusion する事で胃癌からの肝転移と肋骨転移が判明しました。
皮膚癌 皮膚ガン疑い症例で生検により扁平上皮癌と診断されました。皮膚ガンの広がりと深達に役立ちそうです。
潰瘍性
大腸炎
左側型

PETとDWIの比較
PET DWI
     
検査4時間前から    
     
薬剤を注射    
     
薬剤が全身に行きわたるまで約1時間の安静    
   
撮影:全身
時間:30分程度
撮影法:放射線
撮影:部分(頭部・胸部・腹部 他)
時間:30分程度
撮影法:磁力
担当医から検査結果を説明 担当医から検査結果を説明
ドック 約10〜15万円 ドック 現在はなし
保険適応 あり (下記の保険適用疾患一覧を参照) 保険適応 あり (下記の保険適用疾患一覧を参照)
保険3割負担の場合 約2・25万円 保険3割負担の場合 腹部MRI(フィルム含)約6千円


保険適応
傷病名 PET DWI 傷病名 PET DWI
てんかん 膀胱ガン
虚血性疾患病 頭頚部ガン
食道ガン 脳腫瘍
胃ガン 膵ガン
肺ガン 悪性リンパ腫
乳ガン 転移性肝ガン
大腸ガン 原発不明ガン
肝臓ガン 悪性黒色腫
腎臓ガン ペースメーカー ×
前立腺ガン 入れ墨
子宮ガン